世界で一番好きなお好み焼き
大学の正門前には小さなお好み焼き屋があった。
毎晩、毎晩腹をすかした寮生がたむろして語り明かした場所だ。
人生論から始まり、果ては宇宙論まで、焼酎を片手に長い夜を語り明かしていた。
残念ながら、バブル時代に地上げをされて、今は横浜に引っ越している。
東京で仕事が終った後、いつもふらりと寄ることが十数年来の楽しみである。
店主は米寿に近くなっているが、驚くべきことに、僕が初めて会った時と全く変わっていない。
荷物を置いて、近くの銭湯に行き、身体を流す。
その間、お好み焼きは鉄板の上で僕の帰りを待っていてくれる。
できたてのお好み焼きにヘラをサクッと入れるこの瞬間、いつも僕は、18才の自分に帰ることができる。
今も昔も変わらない大きさと味、たくさんの友人の消息を聞きながら、焼酎で喉を潤していく快楽。
大都会の片隅にある僕の唯一のなじみの店。
僕の知らない寮の仲間も、時代を超えて集える場所。
そんな素敵な場所が今も存在する幸せに、今夜もストレートの焼酎で乾杯しよう!
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